「俺は、この街の王になる」

　とある街の中心に突き刺さった巨大な杭。そこから出てきた未知の存在シンゾクは瞬く間に街を制圧してしまう。

数年後、下水工で日銭を稼いでいた青年カガリビは、ある事件がきっかけで仲間達と共に、街の自由を取り戻すべく立ち上がる。

　多くの出会い、裏切り、別れを経て、青年はどのように成長していくのか。果たしてこの街の自由を取り戻すことができるのか。

「気をつけろ。むこうの暗黒シティはこちらの暗黒シティより“上等”なようだ」

　暗黒シティが二つになった。互いの存亡をかけぶつかり合う暗黒シティと暗黒シティ。　似ているようで少し異なる二つの街。

　迎撃にあたった市長軍三銃騎もまた、己が別の可能性と対峙することに。

「初めまして。僕が次期市長のカガリビと言います！」
「怖い。こんな怖い人たちと戦うなんてできないよう」
「醜い。君のような不完全な男が、ユニックスを名乗るなど」

　理想、トラウマ、未熟さ、願望。歪な鏡を前にして、彼らは戦意を保てるのか。
　そして二つの暗黒シティの戦いの行方は……？

「クインスさん。愛しています。結婚しましょう！」
「はあぁ!?」

　暗黒シティの空を埋め尽くす銀河艦体。彼らは暗黒シティに警告する。
「万能力者を引き渡せ。さもなくばこの星は滅ぶであろう」

　クインス=レイシードは内なる可能性におびえているだけの、ごくごく普通の女の子。
　彼女の初恋が悲恋に変わるとき、万能力の花が咲く。
　迫る刻限。百万隻の弩級戦艦。亜光速で迫りくる衛星兵器。絶対絶命の状況の中で少女がとった行動とは？　暗黒シティの未来は……？