Stage 5
怪盗コンサート
(420階大劇場)での戦い
ラスバベルを駆け上るリュパン。
しかし思わぬ者たちが障害となって立ちはだかる。
なんとラスバベルの全市民が武器を手にとって、彼に襲い掛かってくるのであった。
「カカカカ怪盗ハ皆死スベシ!」
彼らの瞳には狂気の光。
すでに洗脳装置はハンバールの手により半稼働状態にあり、地上フロアの住民たちは彼の手駒と化していた。
逃げ回るリュパンであったが、次第に彼自身もシステムの洗脳に呑まれていく。
そんな時、
「月よ、太陽よ。あなたなぜ闇を照らすのか」
どこからともなく聞こえる少女の歌声。
それを聞いた者たちは皆、正気を取り戻していく。
見れば街頭モニターに映るアイドル怪盗Qの姿。
彼女の手には光輝く白い宝玉。
実は刑事たちが保管している白夜の月はレプリカで、彼女の持っている宝玉こそが本物の白夜の月であった。
人の良心を制御する力を持つという白夜の月。
その加護を受けた彼女の歌は、人々をシステムの洗脳から解き放っていく。
「流石に私の金蔓に勝手に手を出されては、黙っているわけにはいきませんの」
Qの助けにより正気を取り戻したリュパンは改めて最上フロアを目指す。
一方歌い続けているQは恰好の標的で、ビル内の警備システムによる激しい攻撃を受ける。
「自由と誇りを奪われた怪盗は死んだも同然♪」
しかし傷つきながらも、歌い続けるQ。
「人は誰しもが黄金に恋憧れている♪」
最後は磔にされ炎に焼かれながら、それでも気高く歌いぬいた彼女に、ハンバールですら敬意を示すのであった。
しかし、これで本物の白夜の月も、シャルロックの手に渡ることになった。
そもそも、今回の催しの本当の目的は、本物の白夜の月の所有者をおびき寄せることにあった。
そうして、シャルロックはラスバベルの洗脳システムを本格起動させようとする。
しかし、気が付けばシステムのコアモジュールに収納されているはずの、闇夜の月が見当たらない。
「馬鹿な。さっきまでここに……」
周囲を見回すシャルロック。
そこに、
「お探し物はこれですか?」
頭上からかけられる声。
「!?」
見上げれば洗脳システムの上に、黒き宝玉を手にした、怪盗本家リュパンが立っていた。
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