「いったい何を考えているんだ!」
事務所に飛び込むなり俺は目の前の男にくいついた



「あなたはグレイナインの師匠だろう!なんで彼女を突き放すようなまねをするんだ!」
 胸倉を掴まれて、しかし目の前の男はすました顔のままだった。
「師匠であればこそ、さ。彼女ほどの人材をぼくの助手として使い潰すなんてもったいない。僕も黒之葛の一族だからかな。悪い癖だ。可能性の目を見つけたら、花開くところまで見届けたくなる………」