そうして、俺たちの新たな物語は始まった。 過去という退路は断たれ、未来はこの通り絶望しかない 「あ!あのタンクローリーは使えないかな、クロくん!」 「タンクローリーって、あれは新エネルギーの輸送タンクじゃないか」 それでも今は全力でぶち当たっていくほかない。 でなきゃ俺達を送り出してくれた連中にも顔向けできないというもの。 遠くから聞こえる微かな剣戟。それが今も彼らが頑張っている証し。 それに恥じない程度には俺達も頑張らなければなるまい。 「まだかい、カタナ!爆薬の取り付けは!?」 「もう30秒だけ時間を稼いでクロくん!あと雷管をつけるだけだから」 だから今はさようなら、暗黒シティ。 また運命が交わることがあったら、その時はその時ということで。 それまではお互い頑張るとしよう。 そうすれば、きっと―――――― 「セット完了!後は君のタイミングでいけるよ、クロくん!」 「了解!じゃあカウントに合わせて」 タンクローリーにつないだ爆薬。彼女の手にはそこにつながるリモコン。 背後には迫りくる怪物。タンクローリーを横切って彼女の待つマンホールを目指す。 これがこの世界における彼女との初の共同作業。 もう少し色気のある思い出にはできなかったのかねと思うも、まあこれも俺達らしいのかもしれない。 「5・4・3・2・1…」 そうして作業用マンホールに飛び込む俺と彼女。 彼女は手元のリモコンのボタンを押しこみながら、 寸前、頬にキスをされた気がするのは気のせいだろう。 「ゼロ!」 ![]() 火を噴く爆薬。 爆発はタンクローリーに積み込まれた新エネルギーに誘爆し、さらなる巨大な爆発を巻き起こした。 巨大な爆炎は新たなる物語開始の狼煙となるか。 赤色の閃光は近隣のビルともども、真横にいた怪物を一瞬で消し飛ばした。 ドリムゴードSIDE:C FIN |
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