「ねえ、剣太郎君。翼ちゃん。私達も出会って、しばらく経ったでしょう。
そろそろ私達だけのチーム名とかほしくならない?」
「ならねえよ。アイドルユニットじゃねーんだぞ、俺たちは」
「チーム名、ですか。私もそれに入れていただけるのですか?」
「もちろんだよ。まあ剣太郎くんは嫌みたいだから、
トリオじゃなくて私達二人のコンビ名にしようか」
「俺をハブる気か!? ………くっ。
チーム名ってどんなだよ。
カッコ悪いのは御免だからな」
「こういうのはハッタリがきいていた方がいいんだよ。
たとえば、大陸を守護する三匹の獣……、みたいのはどうだろう」
「獣はてめえだけだろゴリラ。
俺は心優しきジェントルマごぶふっ!?」
「ああっ!また剣太郎様が三回転宙返りを!」
「我ら大陸の平和を担う、天地無双の三獣騎……。
うん、いける。これ、流行るかも」
少女によって決められたトリオ名。
それが面子を変え、本当に大陸全土に知れ渡る日がこようとは、この聡明な少女をもってしても流石に想像の及ばないことであった
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